ユニフォームの情報源
ISOは大手保険会社にコントロールされており、もっとオープンな組織にする必要があるとか、また勧告保険料といっても営業保険料を提供することは保険会社の料率協定につながりやすいとの批判もあり、これを回避するためのものともいわれている。
従来の営業保険料勧告料率の提供は反競争的な行為ではなく、むしろ料率を算定できない小規模な会社を競争に参加させ、競争原理を働かせることに寄与してきたと認識されている。
またISOは損害保険に関する米国最大の情報源でもある。
一連の自主措置の目的は、保険危機によって勢いづいてきたマッカラン法の改廃論の鎮静化にあるものといわれていた。
なお、九六年九月、ISOの理事会はコスト効率と顧客サービス能力を高めるため、非営利組織から営利株式会社へ転換する方針を決定し、九七年一月より実施された。
戦前の損害保険業界は損害保険料率の協定、再保険・代理店・元受規制などに関する各種の協定に依存していた。
戦後、経済改革の中心として四七年独占禁止法の制定によって、損害保険業界の協定カルテル体制は根本的な改革を迫られた。
四八年、米国コネチカット州の保険法をモデルに、独占禁止法の理念に抵触する料率協定を合法的に行うための、細心の配慮を払いながら「損害保険料率算出団体に関する法律」(以下団体法という)は成立し、これに基づいて算定会は誕生した。
団体法は独禁法政策の強力な遂行を最優先とし、独禁法と保険会社間の料率協定を調整することを目的とするものであった。
損害保険料率算定会(以下算定会という)の誕生独占禁止法の制定後、四八年から五○年、公正取引委員会は各産業の価格形成の実態、流通形態に関する調査を行い、特に事業者団体は標的となった。
損害保険では特に料率協定と再保険機構が問題となった。
団体法に基づいて算定会は独占禁止法および事業団体法の適用除外となっているが、公正取引委員会としては自由競争のチェック、協定の必要性のチェック、またその協定が公益に反していないか常時監視する必要があった。
しかし、その後独禁法の転換によって、五一年に団体法は改正され、団体の独自性および自主性を確立した。
算定会は料率算出のため資料の収集から料率の算出、および大蔵省に対する認可申請まで主体的に行い、会員会社は算定会料率の遵守義務を課せられ、料率は拘束性を持つことになりカルテル料率体制は確立した。
算定会は助言機関から算定機構へと料率団体の性格を変更した。
同時に料率の画一化、強制そのため、算定会は一種の助言機関として、保険会社に料率遵守義務のないアドバザィリー料率の算出を行った。
また各保険会社は料率協定に強制的に加入する必要はなかった。
算定会に米国並みの料率算定を規定する料率協定の合法化による料率の硬直化を避けるため、範囲料率の制度を導入し、また算定会への加盟は任意であるなどの制度上の手当ては行われていた。
しかし、実質的には弾力化の措置はほとんど活用されることはなく、算定会には全社加盟してきた。
なお、モータリゼイションの進行にともなって、一九六四年には自動車保険料率算定会が誕生している。
わが国の料率制度のモデルとした米国の料率制度は一九六八年を境にして多くの州において事前認可制・カルテル料率制度から競争料率制度に移行するなど変容している。
一方、わが国では一九五一年に確立したカルテル料率制度を約半世紀近くの間、ひたすら墨守してきた。
しかし、日米保険協議の決着、ビッグバンによって抜本的構造改革を行うことになり、日本版ビッグバンの具体化を進めてきた保険審議会は最終報告を九七年六月に提出した。
報告によれば、自動車保険・火災保険・傷害保険については算定会料率の遵守義務を廃止し、算定会は遵守義務のない標準約款およびアドバイザリー料率・参考料率を作成・算出する機構となり、純率参考料率のみを算出し、保険会社に提供する。
算定会は広範な保険データを収集・加工し、その結果を会員に提供するデータバンクの機能を果たすことになる。
独禁法の厳格な適用を想定した一九四八年の算定会機構に戻った形である。
最終報告を受けた大蔵省は九八年七月に向け諸関連法案の改正に取りかかっている。
自由化・規制緩和によって損害保険の収益構造は急激に変化しようとしている。
損害保険の収益は保険販売活動による収入保険料を源泉とする保険営業収益と資産運用による資産収益によって構成されている。
保険営業収益を支えてきた価格体系・カルテル料率は廃止され、新しい競争料率への移行によって保険営業収益構造は激変しようとしている。
欧米先進国では保険環境は厳しく保険営業収益の確保は困難でほとんどマイナスであり、資産収益によって損害保険会社の収益を確保している。
わが国ではバブル崩壊後、資産収益は金融環境の激変・低金利の影響を受け、大幅に減少している。
しかし、営業収益は低下を余儀なくされ、資産収益への依存は今後一層高くなろう。
保険営業収益は基本的には元受保険料ベースでは保険料から支払保険金および事業コストを差し引いた収支残であり、比率としての指標、収支残率は損害率および事業費率を差し引いたものである。
最終的には再保険取引後の正味保険料ベースの収益が保険営業収益となる。
わが国の損害保険の営業収益の構造は保険料、損害率、および事業費率に基づいている。
保険料では第一は元受保険料を増加すること、売上増が即収益の拡大になる分野がある。
火災保険・傷害保険・自動車保険の算定会料率(カルテル料率)種目分野は一定の利益と安全率を算入してある保険料率を利用しているため、保険料の増大は即収益の増大をもたらす分野である。
第二は海上保険・航空保険・再保険分野は競争料率としての自由度は高く、あるいは自由であるため、保険料率に利益部分は保証されているわけではなく、保険料の増大は必ずしも収益の増大を意味しない。
競争料率では引受条件・料率水準の設定等々アンダーライティング(保険引受技術)の巧拙によって収益はプラスにも、またマイナスにもなる分野である。
損害率の部分では元受損害率と正味損害率がある。
保険料率水準は収支残率にどのように関わっているのであろうか。
保険料は保険金額と保険料率の積であり、元受損害率は保険金を保険料で割った比率であり、また事業費率は事業費を保険料で除した比率である。
したがって保険料率は保険料算出に関わり、損害率、事業費率等々すべての指標に関わっているキー・ファクターである。
カルテル料率でも、また自由料率でも料率水準の設定は保険経営に決定的な影響を持っている。
表5.1は料率水準の変化によって営業収益にどのように影響するのかの試算である。
保険金額および危険度に変化はれるが、基本的には保険料率水準によって決定される。
正味損害率は危険分散・転嫁の再保険取引後の損害率である。
保険経営は正味損害率を低下させ、収益を確保している。
事業費率の部分では業務の効率化により事業コストを削減し収益を確保する。
元受保険料ベースの損害率は、本来は保険経営における主要業務である引受技術に基づく危険の選択により引き下げ、正味保険料ベースの損害率は危険転嫁の再保険によって引き下げられる。
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